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吉原神社 | 生まれも育ちも東京の山谷 -山谷は日本三大ドヤ街のひとつです-

吉原神社

お神楽との出会いと吉原神社

台東区には「特養(とくよう)」という高齢者の支援施設があります。
東京でも特養がない区もあるそうです。
コロナ禍になる前の年明け、台東区千束にある特養で、創作神楽団の吉福社中様が、新春を祝うお神楽を舞って下さいました。

にこやかな笑顔をされているお狐様の百合之介様のほか、7人くらいの神楽師の方がいらっしゃいます。
囃子(はやし)の音色に合わせて舞うお神楽を、母とともに見ることができたことは、今でも嬉しかった思い出の一つです。

その時、百合之介様たちは、吉原神社でもお神楽を舞っていることを知りました。

道路越しに見た吉原神社の全景と石鳥居、赤い幟が並ぶ境内の入口。
幹線道路に面して鎮座する吉原神社。赤い幟が立ち並び、石鳥居の奥に歴史ある社殿が静かに佇んでいます。かつての吉原遊郭の守護神として信仰を集めていました。
吉原神社の正面と鳥居、参拝客の様子(東京都台東区千束)。
吉原遊郭跡地に鎮座する吉原神社。入口では多くの参拝客が訪れ、にぎわいを見せています。

吉原遊郭があった仲之町通りに「吉原神社」があります。
吉原神社は「浅草名所七福神めぐり」の神社としても知られており、弁財天様をご祭神にしています。
2025年は、大河ドラマの舞台にもなりました。
現在は、日本人の参拝者だけでなく、外国人観光客が参拝される姿も見かけます。

吉原神社の社号標と赤い幟旗が並ぶ仲之町通り。
「弁財天」や「吉原神社」と書かれた赤い幟旗が参道に立ち並び、歴史ある街並みに彩りを添えています。
吉原神社の鳥居と拝殿へと続く参道。
立派な鳥居をくぐると、正面に拝殿が見えてきます。右手には狛犬や灯籠が配されています。

境内の見どころ(お穴様・縁結び・神狐様の像など)

吉原神社の入口には「逢染桜(あいぞめざくら)」という縁結びのご神木もあるのです。

吉原神社の縁結びの御神木「逢染桜」
鳥居の左手に立つ「逢染桜(あいぞめざくら)」。縁結びの象徴として大切にされています。
縁結びの御神木「逢初桜(あいぞめざくら)」の案内板。
「逢初桜(あいぞめざくら)」は、かつて吉原稲荷のご神木だったものが復活した縁結びの桜。浅草防犯健全協力会により奉納されました。

鳥居をくぐると左手に、ご朱印やお守りなどを授与する授与所があります。
おみくじも引くことが可能です。

吉原神社の社務所と授与所。
お守りや御朱印を受け取れる授与所。清潔感ある参道が奥の拝殿へと続きます。
吉原神社の鳥居脇の狛犬と案内板。
鳥居の左右には狛犬が鎮座し、境内を守っています。六神が祀られていることを示す案内も掲示されています。

そして右手に、神社の手洗い場「手水舎(てみずや)」があります。

吉原神社の手水舎(てみずや)。
手水舎は屋根付きで落ち着いた佇まいです。
正面から見た吉原神社の手水舎。
手水舎は、木造の屋根と御影石の水盤で構成され、参拝前の作法を整える場所です。

久保田万太郎様の句碑。
浅草出身の作家であり、俳人の方です。

吉原神社の境内にある自然石と植栽。
手水舎の側には、久保田万太郎様の句碑があります。草花が配され、静かな空間を演出しています。

境内には、仏教の「龍燈鬼(りゅうとうき)様」と「天燈鬼(てんとうき)様」の像もありました。

「浅草名所七福神」と書かれた幟と、天燈鬼様・龍燈鬼様の像。
境内の一角にある仏教由来の「天燈鬼様・龍燈鬼様」の石像。表情豊かな姿が印象的です。
吉原神社境内の自然石。
ご神気を感じさせる大きな自然石も祀られており、静かな雰囲気が漂います。

ご神殿の右側にお祀(まつ)りされているのは「お穴様(おあなさま)」です。
神社の土地をお守りする地中の神様で、心を込めてお参りすると、必ず福が得られると伝えられています。

「お穴様」を祀る社と火山岩の台座。
地中の神「お穴様」を祀る末社。火山岩のような台座の上に社が建てられています。
「お穴様」を祀る社のアップと説明板。
「心を込めてお参りすれば必ず福を授かる」と伝えられる、お穴様の社。訪れる人の信仰を集めています。

お穴様がお祀りされている末社の前には「九郎助稲荷(くろすけいなり)様」の「神狐(しんこ)様」の像もありました。

吉原神社の神狐様の像一対(赤い前掛け付き)。
神社の守り神である一対の神狐様の像。どちらも凛とした表情で参拝者を見守ります。
「九郎助稲荷様の神狐様の像」の説明板。
九郎助稲荷様の神狐様の像は、NHK大河ドラマの放送を記念し、多くの奉納者により建立されたものです。

吉原神社のご神殿には「九郎助稲荷様」「吉徳稲荷様(玄徳稲荷様)」「榎本稲荷様」「明石稲荷様」「開運稲荷様」が合祀されています。

鳥居から吉原神社の拝殿を望む参道。
鳥居をくぐると、まっすぐに拝殿が見える石畳の参道が広がります。右手には案内板や神狐像が見えます。
吉原神社の拝殿正面と赤い幟、「九郎助稲荷様」の神狐様の像。
吉原神社の拝殿正面。右手には赤い前掛けをつけた「九郎助稲荷様」の神狐様の像が参拝者を迎えます。
吉原神社拝殿の扁額(へんがく)「吉原神社」
拝殿内の中央には「吉原神社」と記された美しい扁額へんがく)が掲げられています。

ご神殿の左手には、吉原遊郭の大門が高札や見返り柳とともに再現されていました。
サイズは小さくされています。
吉原遊郭の出入口は、この大門のみだったのです。
(ブログ記事「吉原の見返り柳と遊郭の記憶」を参考)

ご神殿と授与所の間に、吉原大門、案内板とお札納所、見返り柳が再現されている。
ご神殿と授与所の間に、吉原大門、案内板とお札納所、見返り柳が再現されています。
吉原神社境内に再現された吉原大門。
吉原遊郭の出入口だった「吉原大門」を境内に再現。歴史的な雰囲気を感じさせます。
吉原大門の横に設置された案内板とお札納所。
吉原大門の脇には、由来を説明する案内板や古札を納める場所が整備されています。
再現された吉原大門の見返り柳。
吉原大門の見返り柳も再現されています。

吉原観音様と吉原弁財天様

吉原神社から150メートルほど離れたところに、末社の「吉原弁財天」があります。

吉原神社入口にある吉原弁財天様・吉原観音様の案内板。
吉原神社の入口には、150メートル先にある吉原弁財天様や吉原観音像様への案内板が設置されています。
道路側から見た吉原弁財天様の外観と赤い幟旗。
通りからも見える赤い幟旗が目印の吉原弁財天様。たくさんの参拝者が訪れます。
吉原弁財天様の入口の石灯籠と鳥居。
吉原弁財天様の入口には石灯籠と鳥居が並び、参拝者を静かに迎えています。

吉原弁財天の本宮は、境内の奥にあり、鳥居をくぐると「弁天 赤富士の滝」と「弁天池」が見えてきます。
池の前にあるのが、吉原弁財天のご神殿。

吉原弁財天様への小道(参道)と周囲の植栽。
木々に囲まれた細い石畳の小道を進むと、吉原弁財天様へと続きます。
吉原弁財天様の入口にある鳥居と赤い幟旗。
鳥居の上には「吉原弁財天」様の額が掲げられ、道沿いには奉納された赤い幟が並びます。
吉原弁財天様へ続く石畳と赤い幟、滝のような装飾。
参道の先には「赤富士の滝」と呼ばれる水の流れる演出があり、荘厳な雰囲気が漂います。
苔むした庭にある吉原観音様の滝と祠の全景。
静かな水音が響く、吉原観音様の庭園。小さな滝と池、竹垣に囲まれた空間は、都会の喧騒を忘れさせる癒しの場所。
赤と金に彩られた吉原観音様の社殿正面。
色鮮やかな赤と金で飾られた吉原観音様の拝殿。彫刻や絵が施され、華やかさと神聖さが調和しています。
小さな鳥居のある滝と池が広がる吉原弁財天様の境内。
富士山を模した岩山から水が流れる「弁天赤富士の滝」。池の奥には小さな鳥居が配され、神聖な雰囲気が漂う。
「弁天 赤富士の滝」と書かれた赤い柱の案内板。
境内に立つ赤い柱には「弁天 赤富士の滝」と記され、信仰と風情を象徴する名所であることを物語っています。

吉原弁財天の中央に「吉原観音様」がいらっしゃいます。
また、お地蔵様やお墓、供養の碑がありました。
関東大震災で戦災で亡くなった方の供養で建てられて、現在に至ります。

吉原観音様の像とその周囲の供養施設。
関東大震災や戦災で亡くなった方々を慰霊する吉原観音様の像。岩の台座と共に祈りの場が整えられています。
吉原観音様の像のアップ写真。
優しい表情を浮かべた吉原観音様の像。女性や子どもを守る慈悲深い存在として信仰されています。
吉原観音様の由来を刻んだ石碑と、赤不動の絵が描かれた板絵。
境内には吉原観音様の由来を記した石碑と、魔除けの象徴ともされる赤不動様の板絵が並び、信仰の深さが感じられます。
赤い前掛けを着けたお地蔵様と「大華」「角海老」と刻まれた黒石柱。
吉原弁財天の境内にたたずむお地蔵様。赤い前掛けが供えられ、人々の祈りと供養の心が宿る場所。
「花吉原名残碑」と説明文が刻まれた台東区教育委員会の案内板。
花吉原の歴史を伝える「花吉原名残碑」。吉原遊郭が台東区へ移転した経緯が記されており、地域の歴史を今に伝えています。

吉原神社の近くには「福カフェ」「三島屋」「いせや千束」があるので、参拝後、食事をして帰るのも良いかもしれません。

アクセス

吉原神社は「北めぐりん(根岸回り)」「北めぐりん(浅草回り)」「南めぐりん」のいずれかに乗って「台東病院」で下車し、徒歩1分。
もしくは、都営バス「南千住駅東口(または南千住車庫前)」に乗って「吉原大門」で下車し、徒歩6分。
日比谷線「三ノ輪駅(1a出口または1b出口)」から徒歩11分。

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