ゲーム会社で驚愕した「変わった新人研修」
昔、ベンチャー企業のゲーム会社で、半年くらい、アルバイトをしていました。
仕事は、グラフィック制作です。
3DCGでゲーム画面の背景を一枚作成した後は、2Dのドット画によるアニメーションを作成していました。
キャラクターデザイナーが描いたモンスターデザイン画を、4枚のドット画にして、動きをつけるという作業です。
そのゲーム会社は、社員採用を「新卒」に限定していました。
中途採用は決して行わなかったのです。
理由は、そのゲーム会社以外に就職したことのある人が入ってくると
「なんだ!? この変な会社は!」
ということに気づいてしまうからです。
アルバイト先は、ビルの一つのフロアに集まって仕事をしていました。
新卒で新入社員が入社をしてきました。
社長から、新人研修として
「社長の卒業した大学名」
「社長が制作したゲームソフトウェアの名前」
などを
「紙に100回書く」
という課題です。
新入社員たちは、帰宅後、ノートに「社長の卒業した大学名」「社長が制作したゲームソフトウェアの名前」などを、ノートに100回ずつ、徹夜をして書いていきました。
翌朝、新入社員のうち、女性社員2人は腱鞘炎(けんしょうえん)になってしまい、課題を終えることができなかったのです。
女性たちの手には、包帯が巻かれていました。
その2人に対して、社長の口から出たのは
「お前たちは、社長の命令に逆らった」
とのお言葉。
この研修を受けた新入社員のひとりは後日、
「100回も書かないと覚えられないようなタイトルのゲームを作るな!」
と話していました。
その2人の女性社員のうち、ひとりの新入社員は、社長のお気に入り。
お気に入りの社員は、社長の隣りの席です。
隣りの席に座らせ、その女性社員の頬を指で
「頬っぺた、ぷよぷよ」
をしていました。
その結果、その女性社員は退職。
社長は、とてもショックを受けていたようです。
退職した女性は
「どこか具合が悪いのかな?」
と思うほど、元気がなかった記憶があります。
社長に頬を触られて、嫌だったのでしょう・・・。
そして社長は、新入社員へご褒美として渡す「メダル」を作りました。
硬貨くらいの大きさで、結構しっかりと作られています。
新入社員が、社長の喜ぶことをすると、プレゼントされる仕組みです。
社長が
「黒板、消して」
と言うと、新入社員たちは黒板消しを奪い合うようにして、黒板を消します。
見事、黒板消しを勝ち取り、黒板を消せた社員には
「よし、よし。君に、メダルをあげよう」
と、社長がその社員へ、メダルを1枚プレゼントするのです。
ちなみに、このメダルをたくさん集まっても、何もありません。
新卒で入った社員のひとりが、故郷にいる友達へ電話をした際、
「お前にも、このメダルをやるよ! オレ、今、こういう会社におるんや!」
と、涙ながらに話していました。
このメダルは、その後、全て回収されています。
回収後は、社長から新入社員へのメダル・プレゼントをなくなりました。
社長と古株社員たちの不思議なルールとその結末
このゲーム会社では、社内の人が仲良くすることを禁止していました。
社員だけでなく、アルバイトも含まれます。
社長だけでなく、古株の社員だと
「今回のアルバイトさん、皆んな、仲がいいよね」
と難色を示すほど。
最寄り駅からアルバイトへ向かう途中、たまたま、新入社員やアルバイトと会うことがあるのです。
ゲーム会社へ到着するまでは、仲良く話をしながら向かいます。
そして会社に到着した瞬間、話すことをサッとやめ、無言で席に着くのです。
その社長が、アルバイトも含めて、社内の懇親会を開催しました。
業務を終えて、皆で、近くの和食店に向かいます。
そして懇親会が終わり、一旦、解散となりました。
ところが、急きょ、カラオケ店で2次会が行われることが決まったのです。
2次会に参加するアルバイトのひとりが、先に帰ったアルバイト2人に電話をし、2次会があることを伝えました。
連絡を聞いた2人が、2次会へも参加をしようと、再び戻ってきたのです。
すると、社長が
「お前たちは帰ると言っただろ。つるむな!」
と怒り出したのです。
社長が、社内で働く人間同士が仲良くなることを嫌がったのは、社長が知らないところで、仲良くされると、自分(=社長)が疎外感を持ってしまうからだと聞いています。
そして、ゲーム最後に流れるスタッフロール。
会社を辞めたスタッフは「Special thanks」の中に入っていました。
名前の順番は、社長が嫌いなスタッフ順。
「Special thanks」に載る名前が、下へ行くほど、社長が嫌いだったスタッフなのです。
スタッフロールの「Special thanks」に表示される名前の順番を見て
「社長の嫌いな人って、こういう順番だったのか~」
と、興味深く見ていました。
アルバイトが終わった半年後、同じ頃に退職した社員たちと、会うことになりました。
退職した社員のひとりが
「ゲーム会社時代は孤独だったな」
と、当時を振り返ります。
新入社員には、入社した後、社長が社員の実家へ行く
「社長の家庭訪問」
がありました。
入社した我が子が退職したことを知って、その社員のご両親は
「家庭訪問で話したことは何だったんだ」
と口にしていたそうです。
退職した社員たちも、新しい転職先で仕事をしています。
皆が出会ったキッカケであるゲーム会社のことを思い出し
「変な会社だったよね~」



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