お酉さんの夜は、懐かしいにおいと賑わい
昔の「酉の市(とりのいち)」で見かけた「テーブルうさぎ」という手のひらサイズのウサギをご存知でしょうか。
毎年11月には、大鷲神社(おおとりじんしゃ)で「お酉さん(おとりさん)」という縁日があります。
お酉さんは「熊手(くまで)」が有名。
豪華な飾りがついた熊手は芸術品で、見るだけでも圧倒されます。
他にも、あんず飴、フライドポテト、射的など、たくさんの屋台が出店。
歩いてまわるだけでも楽しい、お酉さんです。
屋台で見かけた「テーブルうさぎ」
昔、お酉さんに「テーブルうさぎ」の屋台もありました。
名前のとおり、手の平にのるサイズの「うさぎ」が売られています。
可愛く小さなうさぎが、何羽も台の上で遊んでいました。
「これ以上、大きくなりません」
と、手書きで「テーブルうさぎ」の説明も書かれており、
「大きくならず、ずっと小さいままなら、家の中で育てやすいな」
と思っていました。
「大きくなりません」と書いてあったけれど・・・
そして、ご近所のお孫様が、お祖父様に「テーブルうさぎ」を買って貰ったのです。
ある時、学校の同級生が、こう教えてくれました。
「ペットショップの人がね「大きくならないウサギなんていません」って言ってたよ」
その後、お孫様が買って貰った「テーブルうさぎ」は、ペットショップの方が言われたとおり、デッカく立派なウサギへと成長したのです!
今もお酉さんに行くたび思い出すこと
もと「テーブルうさぎ」のウサギは、お祖父様がお世話をされていたのを記憶しています。
今でも、お酉さんの賑わいを見るたびに、立派に成長したあの「テーブルうさぎ」と、そのウサギを育てていたお祖父様の姿を懐かしく思い出します。

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