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昼の拳、夜の頭突き | 生まれも育ちも東京の山谷 -山谷は日本三大ドヤ街のひとつです-

昼の拳、夜の頭突き

子どもの頭を狙った、突然の拳

小学校低学年の男子児童を連れたお母さんが、アサヒ会商店街を歩いていました。
時間帯は、明るい日中です。
すると、歩道の反対側から、山谷にお住まいの知らない男性が、こちらに向かって歩いてきました。

その親子と、山谷にお住まいの方がすれ違った瞬間のこと。
山谷の男性は拳を振り上げて、男子児童の頭の上を「ガンッ!!」と、思いっきり殴ったのです。

一緒にいたお母さんは
「怖くて何も言えなかった」
と話していました。

「人通りが多い明るい日中でも、安心はできない」
と思っていたのです。

それから月日が過ぎた9月の夜のこと。

夜の駅前バス停で、背後からの衝撃

浅草橋駅前のバス停で、南千住駅西口行き(または南千住車庫行き)のバスを待っていました。
時間を見ると、21時前後のバスは発車していまい、次のバスは20分後くらい。

浅草橋前は、夜でも車や人通りが多い、バス通りの歩道であれば、ひとりで歩くのも安心なのです。
ただ、21時を過ぎると、バスの本数が減ります。
南千住駅西口行きのバス停では、乗客のバスを待つ長い列が出来るのです。

怖いのは、清川二丁目のバス停を降りた後です。

山谷は、最寄り駅がないので、山谷と呼ばれる地域に家がある方は、ほとんどの場合、バスを利用しています。
一番近い駅は日比谷線の南千住駅ですが、泪橋を通り抜けないといけないのです。
日が落ちた夜の泪橋は、大人の男性でも、ひとりで歩くことは安全ではありません。
そのため、浅草駅前や浅草橋駅前からは、南千住駅西口行きのバスに乗った乗客たちは、東浅草と清川二丁目のバス停でかなりの人数が下車するのです。

清川二丁目のバス停を降りた後、家へ向かって歩く中、一緒のバスに乗っていた乗客たちが、ひとり、またひとり、と別の道へ消えていきます。
まだ明かりをつけて営業している商店があると嬉しいのですが、21時30分前後を過ぎてしまうと、営業終了しているところが多いのです。

この日の夜も、浅草橋駅前のバス停では、南千住駅西口行きのバスを待つ長い行列ができていました。
街を明るく照らすネオンの中、歩道には通行人が行き交い、車道では車も休むことなく往来しています。
浅草橋駅前は、夜でも安心だと思って、バスを待っていたのです。

すると
「ゴンッ!!」
っと、後頭部が激痛が起きました。
今まで体験したことのない頭が割れるような激しい痛みです。

後ろを振り返ると、そこには薄いベージュ色のスーツを着た黒ブチ眼鏡の男性が、ひとりで立っていました。
年令は30代前半くらいでしょうか。
背は高く、頭はイガグリ頭で、黒いリュックを背負っています。

こちらが見ると、背後のイガグリ男性は
「失礼しました」
と言って、何事もなかったかのように去って行きました。

バス停の列に並んでいた女性が
「酔っ払ってでもいたのかしら」
と、状況を説明してくれたのです。

イガグリ男性は、バス待ち列の後ろから、列の横をスーッと通りながら来て、こちらの真後ろで立ち止まり、力任せに思いっきり後頭部めがけて、頭突きをしてきたのです。

説明をしてくれた女性と
「人通りが多くても安心できないですね」
と話しながら、到着したバスに乗りました。

明るくても、賑やかでも、安全とは限らない

帰宅をし、鎮痛剤を服用しても、シャワーで頭を洗っても、頭部の中で内出血でもしたのかと思うほど、後頭部全体に広がる激痛がいっこうに良くならないのです。

冷凍庫に「アイスノン」の枕があることを思い出し、その夜は
「いたい、いたいよぉ」
と、アイスノンの枕で後頭部を冷やしながら眠りました。

この日から、21時以降に浅草橋駅前のバス停で、バスを待っていると
「また背後から頭を殴ってくる人が現れるんじゃないか」
と、いつも後ろが気になってしまいます。

世の中、いろんな人がいるので、皆様もお気をつけて下さい。

昼の商店街を背景に拳を突き出すヒーローと、夜の町中で頭突きをするヒーローを描いた二画面構成のイラスト。昭和風の特撮ヒーローのようなデザイン。
昼間の商店街では力強く拳を掲げ、夜の町中では鋭い頭突きを繰り出す、昭和テイストのヒーローたち。記事の内容を直接描かずに、物語の緊張感を象徴的に表現したイラストです。

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