富裕層の奥様が待ちわびる「佐川男子」
佐川急便さんから届いたメルマガを見て、ふと「佐川男子」という言葉を思い出しました。
これはただのイケメン話ではなく、私の家の前で起こった小さな変化のお話です。
佐川急便さんというと、
「家庭や個人ではなく、企業が主な取引相手のため、大きな荷物を運ぶことも多く、若いドライバーの方が多い」
と聞いています。
「佐川男子」という言葉と、その写真集の存在を聞いたのは、ある富裕層の奥様からです。
ちなみに、こちらの奥様は、山谷にお住まいの方ではありません。
その奥様は、佐川急便さんから荷物が届くことがわかると、綺麗な服装に着替えて「佐川男子」の到着を待っているそうです。
ただ、荷物を届けにきてくれる佐川急便の方は、落ち着いたご年齢のドライバーの方ばかりで、
「写真集に載る若い「佐川男子」が来てくれない」
と、ブーブー文句を言っていました。
落ち着いたご年齢のドライバーの方も、お若い頃は「佐川男子」だったんだし、世の中、平等に年を取るのです。
荷物を届けて下されば、写真集に載っている「佐川男子」でなくてもいいんじゃないかと思うのです。
その奥様は、ご家庭を持たれて、お子さんもいらっしゃるので、佐川急便さんが来る時、レースのついたピンクのフェミニンな服に着替えて待っているという話しを聞いた時は、正直、戸惑いました。
「佐川男子」の話しを聞いても、荷物を受け取るだけなので、佐川急便さんが配達に来て下さっても
「佐川男子?!」
という意識をすることなかったのです。
届かなかった荷物と、気になる配達員
時間指定の荷物が、佐川急便さんの配達で届く日がありました。
再配達にならないよう、待っていたのですが、配達時間帯を過ぎても、荷物が届かないのです。
「もしかして、自分が気付かなかったのか?」
と、スマホを確認するも着信履歴もないのです。
夜も更けたので、翌日、佐川急便さんへ電話をすることにしました。
そして、翌日の日中に電話をすると、お問い合わせ窓口の女性の方が
「ドライバー本人から連絡させます」
とのことでした。
その日の配達時間帯に、家の前に、佐川急便さんが配達用の車でいらっしゃいました。
「佐川男子!」
というと
「快活で爽やかなアスリート」
という「体育会系」の印象があります。
家の前に来て下さったのは、お若い佐川急便さん。
つまり「佐川男子」の方です。
その「佐川男子」の方は、気の弱そうな男性でした。
小柄で、お痩せになっており、長袖のユニフォームもサイズが大きいのか、指先まで届いています。
夜間の時間帯に届けて頂いたというのもありますが、
「体調がお悪いのかな」
と心配になってしまうような暗いご様子でした。
家の前で下を向かれたまま
「昨日、届けようと思ったんだけど・・・」
と元気なくお話しをされます。
こちらが
「配りきれなかったんですよね」
と言って、ドライバーの方から、荷物を受け取りました。
「新しく入った方なのだろうか。大きな荷物を運ぶのは無理そう。でも何で、体育会系の佐川急便さんに入ったんだろう・・・お仕事、続けられるのだろうか・・・」
と、余計な心配をしていたのです。
再び現れたのは、ナイスガイの「佐川男子」
それから、またしばらく過ぎて、佐川急便さんから代引きの荷物が届くことになりました。
遅い時間帯の受け取りとなり、届けに来てくれたドライバーの方は、ナイスガイのスポーツマン!
つまり「佐川男子」の方です。
話す声にも元気があります。
なんか、どこかで見たことがあるのです。
そして、ハッと思い出しました。
あの袖の長いユニフォームを着て、こちらが
「体調がお悪いのかな」
と心配になった、あの佐川急便のドライバーの方だったのです!
あの時の暗い陰は、もうどこにもありません。
人は、守るものがあると変われる
荷物を渡して下さる時、ドライバーの方の左指に、キラッと光るリングがありました。
守るべきものがあると、人は変われるのです。
その後も、偶然、街でお姿をお見かけすると、明るく
「こんにちは!」
と、元気よく挨拶をして下さる「佐川男子」に。
太陽のような明るい挨拶をして頂けると、こちらも元気を分けて貰えた気持ちになります。
「佐川男子」の方が、写真集が発売され、あの奥様が「佐川男子」の方が来るのを心待ちにしているのも、それが「佐川男子」の魅力なんですね。
こちらの佐川急便さんのドライバーの方も、いつか「佐川男子」の写真集に載る日が来るかもしれません。
【補足】
今回登場したドライバーの方について、
「荷物の配達が翌日になった」
ということを書くことに、少し迷いがありました。
「その方にご迷惑がかかるのではないか」
と心配になったためです。
ただ、
「なぜそのドライバーの方が心に残っているのか」
をきちんと書かないと、記事を読んで下さった方に
「伝えたいことが伝わらないかもしれない」
とも思いました。
このお話を書こうと思ったのは、
「守るべきものがあると、人は変わる」
という、実際にあった出来事を伝えたかったからです。
たくさんの荷物を運んで下さっている宅配便のドライバーの方々には、いつも感謝をしています。
そして、守るべきものができた「佐川男子」のドライバーの方、お相手を大切にされ、いつまでもお幸せでいて下さい。

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