Twitterでも山谷の暮らしを発信中です:
フォロー @sanya_tokyo
夏の風物詩と冬の雪の朝は | 生まれも育ちも東京の山谷 -山谷は日本三大ドヤ街のひとつです-

夏の風物詩と冬の雪の朝は

夏の朝を知らせるラジオ体操

夏といえば、ラジオ体操。
場所は、各町内会の広場、もしくは通行止めにした車の往来が少ない車道。
朝6時から、ラジオ体操の曲とともに始まる夏の風物詩。

ラジオ体操の時間が近づくと、町内の方々が広場へと集まってきます。
その首から紐で下げているのは、ラジオ体操の出欠カード。

そして朝6時。
ラジオ体操の明るい元気な歌と曲が流れるのです。

町内で役員を務める方々が、集まった人々の前で、体操のお手本を。
そのお手本を見ながら、町内会の方々が、曲と共にラジオ体操をします。

終わった後は、役員の方々がいるテーブルへ行って、ラジオ体操の出欠カードに「参加」を意味するハンコを押して貰います。

この出欠カードがあることで、夏のラジオ体操が終わった後に、参加賞が頂けました。
参加賞は、ノートなどの文房具。
さらに、ラジオ体操をしっかり参加した子供には、表彰状の授与も。

ちなみに、ラジオ体操が行われる場所の周囲には、住宅もあるのです。
夏の朝は、明るく元気なラジオ体操があるため、早起きになります。

ただ、昔からある夏の行事。
ラジオ体操会場の周囲で暮らす方々も
「ラジオ体操で、朝、ゆっくり寝てられない」
と苦情を出すことはありません。

祭囃子(まつりばやし)と地域の価値観の違い

台東区では、玉姫稲荷神社の例大祭、三社祭のほか、様々なお祭りや縁日があります。

5月の毎週末。
区内を歩くと、どこかでは必ずというほど、祭囃子(まつりばやし)が、流れています。
この祭囃子が聞こえてくると
「お祭りの季節か」
と、活気のあるお祭りは、地域に元気をくれるようで、嬉しい気持ちになりました。

その5月の週末、私用のため、区内にある施設へ向かったのです。
この時も、祭囃子が流れていました。
その施設に到着すると、顔見知りの女性が入ってきました。
もともと関西にいた方で、こちらに引っ越してきたそうです。
その女性は
「もう、ピーヒャラ、ピーヒャラ、うるさくて! 子供でもいたら違うんやろうけど」
と、とても不快そうに話していました。

関西のお祭りは静かなのでしょうか。

その女性の方と、夏の行事について話をしました。
朝のラジオ体操が、住宅の前で行われること
「そんなの、とても耐えられない!」
と、すごい嫌そうにしていたのです。

山谷ではないのですが、養鶏場がある地域に、別の地域から、若いご家族が引っ越してきました。
そして
「養鶏場からニオイがする!」
と、苦情を出したのです。
養鶏場があることは、そのご家族もわかっていたと思います。

夏の風物詩であるラジオ体操、活気のある祭囃子が流れるお祭りも
「うるさい!」
と言われて、なくなる日が来るのでしょうか。

静かな冬の朝にある温かさ

東京の冬は、雪があまり降りません。
でも時折、雪が降って、積雪になることがあります。
積雪の朝、コンクリートの歩道は、雪が凍ってしまうことも珍しくありません。
積雪の早朝
「ザッ! ザッ!」
という音が聞こえてきます。
アイスバーンとなった歩道。
人の手によるスコップで、アイスバーンの氷を、砕いて除去する音です。
外へ出ると、家の前の凍った雪は、除去されていました。
ご近所の方が、こちらの家の前にあったアイスバーンの氷も除去して下さったのです。
でも
「自分が除去してあげた」
と、名乗り出る方はいないのです。

夏と冬の風景を一枚に描いたイラスト。左側には早朝のラジオ体操で賑わう町内会の風景、右側には冬の朝にご近所の方が雪のアイスバーンをスコップで砕いている温かな助け合いの様子が描かれる。
夏のにぎわいと冬の静かな助け合い。山谷の季節と人の温かさを一枚に。

ご感想・思い出などお寄せ下さい

タイトルとURLをコピーしました