都心を駆け抜ける三万人
3月の日曜日。
朝、都営浅草線の駒形橋駅へ向かうと、至る所で交通規制がされていました。
この日は「東京マラソン」です。
マラソンのトップ選手と、一般参加のランナーたちが、一緒に都内を走ります。
追い抜いた際の接触事故を避けるため、先頭は選手の方々で、その後を一般参加の方々が走ると聞きました。
これから、東京マラソンに出場された選手の方々が来るようです。
せっかくなので、歩道に立っていると、先頭を走る選手の方々が見えてきました。
東京マラソンを間近で、さらに先頭を走る選手たちを見たのは、この時がはじめてになります。
駒形橋駅前の歩道に立っていると、マラソン選手たちが雷門から折り返してきました。
浅草方面から、こちらへと走ってきます。
マラソン選手たちが走り抜けると、沿道で見ている人々から沸き起こる拍手。
都内の中央を走り抜ける東京マラソン。
世界6大マラソンのひとつにもなりました。
出場したい方が多数おり、参加申し込みの抽選は、毎回すごい倍率のようです。




走れなかった当選者
東京マラソンを見て、思い出したことがありました。
ある方のお父さんが、地元で開催されるマラソン大会へ、参加申し込みをしたのです。
東京マラソンではありませんが、こちらのマラソンも知名度があり、人気の大会。
参加は申し込み多数のため、抽選でした。
しかし、何も連絡がありません。
そのお父さんは、落選したのだと思っていました。
地元のマラソン大会も終わったある日のこと。
そのお父さんの家のポストに、ハガキが投函されていました。
お父さん宛てのハガキには、参加申し込みをしたマラソン大会から
「●●マラソン参加、ありがとうございました」
とあります。
そして、そのハガキに写真も印刷されていました。
しかし、写っていたのは、お父さんではなく、新聞配達の男の子が走る姿だったのです。
実は、そのお父さんは、地元のマラソン大会に当選していたのです。
その当選通知のハガキが、家のポストに投函されました。
そして、新聞配達の男の子が、ポストに新聞を入れる際、その当選ハガキを見つけたのです。
男の子は、当選ハガキをポストから抜き取りました。
マラソン大会の当日。
新聞配達の男の子は、お父さんの当選ハガキを使い、自分がマラソン大会で走ってしまったのでした。
しかし、そのマラソン大会は
「参加は、ひとり一回」
と決まっているのです。
実際に走ったのは、新聞配達の男の子であっても、マラソン大会の記録には、お父さんの名前が登録されてしまいました。
そのため、そのお父さんは一度も走っていなくても、もう地元のマラソン大会へは参加ができなくなったのです。
マラソンを見聞きすると
「当選したのに大会で走れなかった」
という話を思い出します。
いつか
「参加は、ひとり一回」
という参加条件が変更され、そのお父さんが、地元の大会に参加できることを願っています。


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