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【番外編】事務アルバイトをした時の「いつも私を見ている!」の話 | 生まれも育ちも東京の山谷 -山谷は日本三大ドヤ街のひとつです-

【番外編】事務アルバイトをした時の「いつも私を見ている!」の話

アルバイト先にいた、違うタイプの2人の女性

事務アルバイトをしていた時のこと。
他に2人、若い女性の方も、事務アルバイトをしていました。

ひとりの女性は、少女マンガのヒロインを実写化したような、小柄で若く、美しい方でした。
仕事もでき、しっかりとした女性です。
はじめてお会いした時、
「こんなに美しい方がいたら、さぞ、男性たちは騒いだんだろう」
と思ったりしたのです。
周囲には
「一人暮らし」
と話されていました。
しかし、家庭を持っている方ならではの「落ち着き」があるのです。
ある男性社員が
「連休の間、どうしてましたか?」
と、その女性アルバイトの方に聞いていました。
その女性は、困惑しつつも、連休中の出来事を端的に話します。
男性社員は
「あとは?」
「あとは?」
「あとは?」
と、執拗に連休中の過ごし方を聞き続けたのです。
すると、女性の方は
「あとは、夫と・・・」
と口にしました。
すると、男性社員は、黙ってその場を去って行ったのです。
すぐに目に入るような若く美しい方だったので
「こんなに美しいと、周りの男性が放っておかないだろうから、誰かいるよね」
と思っていました。
夫がいることを話せない事情があったのでしょう。

そして、もうひとりの女性アルバイトの方は、大柄のぽっちゃりとされた若い方です。
髪はヘアサロンには行かず、ご自分で切っていました。
いつも短めの刈り上げおかっぱというヘアスタイル。
陽気な時もあるのですが、ご気性が荒いのです。
机をバンバンと叩きながら、怒鳴り声を上げることもあります。
「あの人と、前、あたっちゃったんだよね〜」
と、他のアルバイトともトラブルを起こしたことも口にします。
「あ〜、なんて口が悪いんだ、私って」
とも話し、欠勤や遅刻も多いのです。
深夜2時頃まで起きているそうで、早く寝ることはついては
「無理だって!」
と、ふてくされていました。

アルバイトの座席ですが、こちらの斜め前には、美しいアルバイトの方が座っていたのです。
そして、離れたところに、ぽっちゃりされたアルバイトの方が座っていました。

気遣いのある管理職と、倒れそうな本棚の違和感

そして、ぽっちゃりの方の斜め後ろ。
そこに、他部署の管理職をしている男性の席がありました。
デスクの上に、自作の本棚が置かれています。
ご自分で作られた木製の本棚で、倒れそうな不安定な置き方なのです。
ぽっちゃりの方の後ろ姿が見えないようにと、仕切りをしているようにも見えました。
この時は
「本棚、倒れそうで危ないな。きっと、よっぽど本が好きなんだな」
くらいに思っていました。

こちらの管理職の方へ、イベントで配布するチラシの束を届けに行ったことがありました。
管理職の方は、ちょうど電話中。
しかし、その方は、電話で話しながらも、すぐ席から立ち上がり、サッと書類を置くスペースを作ってくれたのです。
後日、届けたチラシに関して、その管理職の方から
「この前のチラシ、お客様から、とても好評でした」
というメールをくれました。

その管理職の方にいる部署に、管理職の方と同じ名字の社員がいたのです。
お客様からの連絡を伝える際、同じ名字の社員の方へではなく、間違えて、管理職の方へメールを送ってしまったことがありました。
管理職の方は、間違えて送ってきたことを気づき、そのメールはそのまま同じ名字の社員の方へ転送してくれたのです。
だいぶ日にちが経ってから、そのことに気づき、管理職の方へ
「間違えてしまい、申し訳ありません」
とメールで謝罪をすると
「よくあることです。どうか気にしないで下さいね」
という返信メールがきました。
アルバイトに対して、とても気遣いのある管理の方だったのです。

全ての社員の方が、アルバイトに優しかった訳ではありません。
その中、こちらの管理職の方はアルバイトに優しかったのです。

「いつも私を見ている!」という訴えが起こしたこと

ある日のこと。
ぽっちゃりとしたアルバイトの方が、もうひとりの美しいアルバイトの方と
「諸事情により、席を交換します」
と言ってきました。

「はぁ・・・」
という程度に聞いていました。

すると、ぽっちゃりの方に、文房具などが保管されている倉庫へ来るように言われます。
そこで、席替えの理由を話し始めました。

ぽっちゃりの方が座っている斜め後ろは、気遣いのある、アルバイトに優しい管理職の方が座っています。
ちなみに、ぽっちゃりの方と、気遣いのある管理職の方は、席が近いだけで部署は別です。

ぽっちゃりの方は
「本人はね、見てないって言ってるんだけど・・・見てたじゃん!」
と、怒りながら話します。
気遣いのある管理職の方について
「(管理職の方が)自分の席から、こうやって、こちらをじっと見ていて・・・私の隣りのコピー機からも、こうやってじっと見ていて・・・いつも私をじっと見ている! 気分が悪くて、耐えられない!」
と言うのです。

正直、
「なんで?」
と思いました。

もうひとりの美しいアルバイトの方であれば、つい見てしまう男性がいるのも、わかります。
「あんなに、きれいな方だったら、見ちゃうよね」
と。
ただ、ぽっちゃりの方を、なぜ、男性がじっと見るのか・・・全く理解できず。
ただ
「すっごい、ぽっちゃりだなぁ~」
と見ることはあるかもしれません。

ぽっちゃりの方は、自分が所属している部署の上席に相談をしました。
気遣いのある管理職の方を
「いつも私をじっと見ている! 気分が悪くて、耐えられない!」
と伝えます。
すると、上席の方は「見てる!」と言われた管理職の方について
「もうご家庭を持っているし、お子さんもいるので、そういうことは、ないと思う」
と言われました。
それでも、ぽっちゃりの方は
「見てた! 自分の席から、こうやって、こうやって見てた! 隣りのコピー機からも、こうやって見てた! いつも私をじっと見ている! 気分が悪くて、耐えられない!」
と、強く主張します。

仕方ないので、上席の方は、役員の方へ相談に行きました。
その話を聞いた役員の方は、気遣いのある管理職の方のところへ行って
「こういう風に言ってるんだけど・・・」
と話しました。
すると、気遣いのある管理職の方は
「見てない! 自分が何で(ぽっちゃりの方を)じっと見ないといけないのか! 自分は(その女性が)嫌いだ!」
と、ハッキリ否定します。

ぽっちゃりしたアルバイトの方は
「見てたじゃん!」
と、その後も主張。
そして、ぽっちゃりの方は、気遣いのある管理職の方と離れた席に移動することを希望したのです。
美しいアルバイトの方と、席替えをすることになりました。

気遣いのある管理職の方は、そんな変な方ではないと思うのです。
じっと見ていたのではなく、ただ単に、顔を向けた方向で、目が合っただけではないかと。
しかし、あの自作の倒れそうな本棚が、なぜ、机の上で仕切りのように置かれていたのか。
その理由も、ようやくわかりました。

ぽっちゃりの方の話を聞いてから
「あの人が、こちらを見ている! 気分が悪くて、耐えられない!」
と言われないよう、周囲を見る時は、相手の目は見ず、ボォーと見るようにしています。

オフィスでデスクに向かう女性の後ろ姿と、背後にぼんやりとした人影があるセピア調のイラスト。
誰かの視線を気にしながら仕事をする女性の後ろ姿を描いたオフィスのイラストです。

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