※ この記事の前作「サビ猫サビちゃんの地域猫物語・前編」はこちら
サビちゃんのお父さんの暮らしと、自転車とくず餅
サビ猫サビちゃんと、サビちゃんを家猫として保護してくれた同級生のお父さん。
その後、どうなったのでしょうか。
サビちゃんのお父さんは、サビちゃんや他の保護猫たちと一緒に、すぐ近くの家へと引っ越しました。
もとの家には、ご子息とそのご家族が住んでいます。
お父さんは用事がある時、サビちゃんたちがいる家と、もとの家とを自転車で行ったり来たりしていました。
酷暑の夏。
サビちゃんのお父さんは
「暑い、暑い。干物になっちゃうよ〜」
と言いながら、自転車をこいでいます。
まだ涼しい時期のこと。
偶然、サビちゃんのお父さんと出会いました。
引越し先の家で、サビちゃんたちは元気でいるとのこと。
乗っている自転車の前カゴには、白いビニール袋が入っています。
すると、お父さんは
「アンタに、これ、やるよ」
と、前カゴに入っていた白いビニール袋を、手に取りました。
その袋の中に入っているのは、包装された人気店のくず餅。
これは、ご自分が食べるために買ってきたものでしょう。
そのため、お断りすると
「いいよ」
と笑顔で言って、くず餅をくれたのです。
そして、自転車で去っていきました。
頂いたくず餅は、その日の昼ご飯として、美味しく頂いています。
そして、いつかお返しをしないといけないとも思ったのです。
つながらない電話と、灯りのない家
毎年、夏と年末になると、親戚がたくさんの野菜を送ってくれます。
鮮度が大切な野菜。
食べきれないので、いつも、ご近所にもおすそ分け。
この時、サビちゃんのお父さんにも、野菜のおすそ分けをすることにしました。
この日は、週末の土曜日。
親戚から、新鮮な野菜がたくさん届きました。
周囲に配る分を、ビニール袋に入れて、人数分に分けます。
そして、サビちゃんのお父さんへ電話。
「プルルル、プルルル・・・」
と、携帯電話の呼び出し音だけが続きした。
お父さんは、電話に出ません。
土曜日の午前中なので
「外出中なんだ」
と思って、また夕方にかけ直すことにしたのです。
夕方、外出先にいると、留守電にメッセージが入っていました。
着信履歴をみると、サビちゃんのお父さんです。
メッセージを再生。
ザーッという雑音が流れます。
そして、サビちゃんのお父さんの
「・・・電話・・・ありがとう・・・」
という、弱々しい声が、途切れとぎれに入っていました。
その後、再び、ザーッという雑音が続いて、電話が切れたのです。
すぐ、こちらから電話をかけ直しました。
しかし
「プルルル、プルルル・・・」
と、携帯電話の呼び出し音が続くだけ。
少し時間を置いて、外出先から再び、電話をかけ直します。
それでも聞こえるのは
「プルルル、プルルル・・・」
という呼び出し音が聞こえるのみ。
サビちゃんのお父さんは、電話に出ないのです。
完全に日が落ちました。
帰宅する途中、サビちゃんのお父さんが、以前、保護猫たちと一緒に住んでいた家の前を通ります。
今は、ご子息とそのご家族のお家。
就寝する時間には、まだ早いのですが、電気がついていなく、真っ暗です。
ご子息たちは、ご不在なのでしょうか。
サビちゃんのお父さんが引っ越したお家は
「もと住んでいた家の近く」
ということしか、わかりません。
ピンポイントの場所が、わからないのです。
サビちゃんのお父さんは、どうされたのか・・・。


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