Twitterでも山谷の暮らしを発信中です:
フォロー @sanya_tokyo
浅草寺はここから始まった ― 駒形堂 | 生まれも育ちも東京の山谷 -山谷は日本三大ドヤ街のひとつです-

浅草寺はここから始まった ― 駒形堂

浅草寺発祥の霊地

隅田川のほとり、駒形橋のたもとに「駒形堂(こまがたどう)」建っています。
鮮やかな朱色の立派なお堂です。
浅草寺といえば、雷門や仲見世、五重塔を思い浮かべる方が多いと思います。

ですが、浅草寺の「始まりの地」が、雷門から少し離れた場所にあることは、意外と知られていません。

それが、隅田川にかかる駒形橋のたもとに建つ「駒形堂(こまがたどう)」です。

地元では「こまんどう」とも呼ばれてきました。

江戸通りから見た駒形堂。
江戸通りから見た駒形堂。
朱塗りの駒形堂の正面・全景。
朱塗りの駒形堂の正面・全景。

今からおよそ千四百年前、推古天皇36年(628年)のこと。

浅草寺のご本尊である聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)が、宮戸川(みやとがわ/今の隅田川)にお姿を現したと伝えられています。

そのご本尊が、この地に上陸され、はじめてお祀りされたのです。

つまり、ここが浅草寺の発祥の霊地。

浅草の長い歴史は、この場所から始まったと言えます。
お堂そのものは、天慶5年(942年)に平公雅(たいらのきんまさ)によって建立されたと伝わります。

その後、たびたび火災に遭い、そのたびに同じ姿で再建されてきました。

今のお堂は、平成15年(2003年)に再建されたものです。

駒形堂の案内板。
駒形堂の案内板。
駒形堂の正面入口。
駒形堂の正面入口。

「駒形」という名の由来

川を背にして建つ駒形堂。
江戸時代の中頃までは、川に面して東を向いていたそうです。

「駒形」という、少し変わった名前の由来には、いくつかの説があります。
このお堂のご本尊は、馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)です。

生きとし生けるものを救う仏様です。

ご本尊が上陸された地であることから、隅田川に棲む魚たちを大切にする心が生まれ、生き物の守り仏である馬頭観音が祀られた、と伝えられています。
そして、人々が願いごとの御礼として、馬の形をした作り物を奉納する風習があったそうです。

この「馬の形(うまのかたち)」が、時を経るうちに訛って「駒の形(こまのかたち)」となり、そして「駒形」になった、という説です。

古くからこの一帯が、馬と深い関わりのある土地だったことが、名前にも残っているのですね。

参道から見た駒形堂とお堂の標柱。
参道から見た駒形堂とお堂の標柱。
お堂を斜めから見た様子。
お堂を斜めから見た様子。

「駒形堂」の扁額が掲げられた、お堂の正面。
毎月19日が縁日で、ご本尊が開扉されます。

縁日といっても、大規模な露店が立ち並ぶものではありません。
駒形堂でご本尊が開扉され、法要が営まれるのです。

特に4月19日には、年に一度の大祭が行われます。

境内にある手水舎(ちょうずや/てみずや)。
境内にある手水舎(ちょうずや/てみずや)。
お堂の正面・お賽銭箱と扁額のあたり。
お堂の正面・お賽銭箱と扁額のあたり。

殺生を戒める「戒殺碑」

お堂のかたわらには、古い石碑、歴史を伝える石碑がいくつも建っています。

その一つが「戒殺碑(かいさつひ)」です。

「浅草観音戒殺碑」は殺生を戒める、由緒ある石碑です。

元禄5年(1692年)のこと。
ご本尊が示現したこの霊地を中心に、隅田川の一帯が「魚介殺生禁断(ぎょかいせっしょうきんだん)の地」と定められました。

南は諏訪町から、北は待乳山(まつちやま)まで。

この川筋では、魚や貝をとることが禁じられたのです。

そのことを記念して建てられたのが、この戒殺碑です。

「命あるものを大切にする」

今から三百年以上も前の、そうした想いが、この石に刻まれて残っています。

お堂の脇に並ぶ石碑。
お堂の脇に並ぶ石碑。
浅草寺観音戒殺碑。
浅草寺観音戒殺碑。

浅草の喧騒から、少し離れて

お堂のまわりは、こぢんまりとした公園のような空間。
木々が涼やかな木陰をつくっています。
駒形堂は、雷門から歩いて5分ほど。

都営浅草線の浅草駅A2出口を出れば、すぐの場所です。
仲見世の賑わいとは、また違う空気。

ここには、静かに流れる時間があります。

浅草寺をお参りした後、少し足を延ばして、この「始まりの地」を訪ねてみてはいかがでしょうか。

千四百年前、ここから浅草の物語が始まったのだと思うと、いつもの浅草が、また違って見えてくるかもしれません。

境内から見たお堂正面の入口。
境内から見たお堂正面の入口。
境内のそばの大きな木と空。
境内のそばの大きな木と空。

駒形堂のご案内

所在地:東京都台東区雷門2丁目(駒形橋西詰/駒形公園内)

アクセス:都営浅草線「浅草駅」A2出口からすぐ。東京メトロ銀座線・東武スカイツリーライン「浅草駅」からも徒歩約4分。

縁日(ご本尊開扉):毎月19日(4月19日は年一度の大祭)

拝観:お堂の外からのお参りは自由

ご感想・思い出などお寄せ下さい

タイトルとURLをコピーしました